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十周年

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当Blogは開設から十周年を迎えました!
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日曜の午後はポール・サイモンがよく似合う

週末の朝はアート・ガーファンクル-----特に二枚目のセカンドアルバムである「愛への旅立ち」をよく聴くことの多い私なのではありますが、日曜の午後、予定もなくぽっかりと空いた午後の時間を過ごすパートナーとなるのにふさわしい音楽を提供してくれるのが、現代アメリカが生んだ天才にして巨匠、凄腕のギタリストにして美しい楽曲を編み出すソングライターであり、人々の心を打つ言葉を送り届ける詩人でもある偉人-------ポール・サイモン、その人だと私は強く思うのです。




ポール・サイモンのアルバム(01)
サイモンの傑作アルバムの一つとして名高い「時の流れに」。1970年代最高のアルバムの一つとしても高い評価を受けている作品でもある。(1975年度グラミー賞受賞作)



ポール・サイモンの足跡についてはあらためて述べるまでもありませんが、高校時代に幼馴染であるアート・ガーファンクルとともにレコードデビュー、大学進学もあって一旦は活動を停止したものの、卒業後にサイモン&ガーファンクル(以下S&G)としてメジャーデビュー。しかし最初のアルバム「水曜の朝、午前3時」はまったくヒットせず、サイモンは失意のまま渡英。かの地でクラブ廻りをしながら音楽の道を追求していたところに、名曲「サウンド・オブ・サイレンス」のアレンジバージョンがヒット。急遽アメリカに呼び戻され、ガーファンクルと再度コンビを組んで数々のヒット曲を連発。名実ともにスーパースターとなっていくのでありますが、そのデュオも1970年限りで事実上の終止符を打ち、各々がソロ活動に入っていく-------。


ポール・サイモンのアルバム(02)
サイモンが渡英した若き日にレコーディングした、ソロ0号作「ポール・サイモン・ソングブック」。不遇だった時代、心の底から搾り出すような歌声が胸を打ちます。




というところまではほとんどの人が知っているわけですが、本当のことを言うと、ポール・サイモンのキャリアはS&G以降の方が長く、そしてその評価も高いんですよね。1971年の「ポール・サイモン」以降、時代の最先端となる音楽を切り開き、海外の数多くの音楽の魅力を、自身の作品を通して紹介しつつも、それをきちんと昇華した上で、いつの時代にあっても変わらない、素朴なアメリカの心を詠っていくその姿勢に、アメリカのオーディエンスは支持を続けていくわけですな。


まさに、ハート・オブ・アメリカ。それがポール・サイモンであり、ポール・サイモンの作品なのだなぁと、しみじみ感じる私なのであります。



と書くと、一部の人には違和感が残るかもしれない。傲慢で押し付けがましい、威圧的で攻撃的な“アメリカ”とポール・サイモンの作品テイストはまったく異なるものではないか、と。

だが、それは“アメリカ”という国を表面的にしか見ていないからこその意見だろう。

実を言えば、アメリカという国は我々日本人が考えているよりずっと(世界的には)田舎者で、海外の出来事は“遠い世界のお話”くらいにしか認識していない、結構内向的な国でもあるのだ。(だから、英国などに比べて外交が稚拙なんだとも言えるが<日本も笑えないです;苦笑)。


そして、思っているほどオシャレでも能天気で陽気という訳でもない-------アメリカ人に限らず、世界中どこでもそうなのだが、人間はそう変わることはない。いやだからこそ、ポール・サイモンの言葉は、音楽は国境を越えて人々の心に響くのだろう。

日本では何故か過小評価されている傾向が強いのだが、------S&G時代の印象を強く持ちすぎているからなのだろうか、もしくはS&G時代のサウンドへの憧憬を捨てきれず、以降のサウンド傾向に馴染めないのだろうか-------、個人的にはソロ作品の方が味わいも深いし、音楽的にも多彩で聴き応えがあるように思う。

まあ、年齢を重ね、経験も深くなるわけだから至極当たり前なのだが、それでも数年おきに傑作を残しながらも、その路線に執着せず、常に新しいサウンドを求めていく探究心の深さには、毎度脱帽せざるを得ない。

そして、いつの時代の作品を耳にしても、ホッとするような心地よさ、心弾むようなウキウキ感、人生の悲哀や孤独感、そして優しさ、etc……、一つ一つの言葉や音が染み入ってくる感触がある。


ポール・サイモンのアルバム(03)
老境の域に達しながらも、更なる音楽的探求は続く。円熟味と新鮮味が溶け合い、見事なまでに昇華された「ユー・アー・ザ・ワン」。西アフリカの音楽を採り入れながらもサイモンらしさは健在。


人生のもっとも多感な時期に彼の音楽に出会い、そして多くの時を彼の音楽とともに過ごすことが出来たことは、最高の喜びの一つでもあった。そもそも私にとってポール・サイモンは神のような存在で、彼の影響がなければギターを手に取ることもなかっただろうし、(未だに弾けないところは何だかではあるけど;恥)、詩作に挑むこともなかっただろう。(そういや最近は全然書いてないな;恥)。ジャズやロックなどの音楽に耳を傾けることも、彼の影響がなければなかったことだし、韻や暗喩、言葉遊びといったことに注意を払うこともなかっただろう。(その意味では最近の日本のポピュラー音楽は歌詞が“浅く”感じる。もっとも海外のポピュラー音楽もその傾向が大きくなっているが)。



日曜の午後、特段何も予定が入っていないひと時を過ごすのに、ポール・サイモンの音楽に耳を傾けながら、彼の編んだ詩を読んで、コーヒーを口に付けながら人生について思いを馳せるというのは最高の贅沢なのかもしれない。“どの作品を”と聞かれると、どれも良すぎて選ぶのに困るほど名曲/佳曲が目白押しなのだが、ああ、そうだ、全部聴いてくれればいい。彼に“ハズレ”の作品なんて一つもないからね。









……と、結局、ポール・サイモンの音楽の素晴らしさを具体的に指摘することが出来ずに、今回の記事を終えるわけですが、そこへ11月6日にビッグ・ニュースが飛び込んできました。なんと、ポール・サイモンとスティングが一緒に北米ツアーにでるそうで、基本的にはそれぞれのバンドで曲を披露するのですが、何曲かはサイモン&スティングでの異色デュオとなるらしくて、これは興味津々! サイモンとスティングという取り合わせは、カラーが違いすぎてピンとこない向きもあるでしょうが、ともに韻や比喩を駆使した文学的な歌詞をつくることに定評のあるアーティスト。(スティングは元国語教師)。しかも二人ともレゲエをベースにしたサウンドをクリエイトをした経験をもつ間柄。さらに以前二人はご近所同士だったとか!(ポール・サイモンは生粋のニューヨークっ子。スティングは一時ニューヨーク住まいをしていたことがあり、その体験が「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」という曲を生んだことはよく知られている)。

そして……、二人とも私がファンなのですよ(笑)。スティングはポリス時代から聴いているし。(サイモンよりもちょっと早い)。ちなみにスティングよりは、ギターのアンディ・サマーズの方が好きだったりします(笑)。

チックショウ、いいなぁ……。日本にも来ないかな……。

と思ったところで、いまは辺境の田舎住まいゆえ、来日しても観にいけないんだけどね。
(ポリス再結成来日コンサートのときは東京にいたけど、仕事が忙しくて観にいけなかった……;涙)。

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