自己との対話〜2013年を振り返る(2)

翼
「年末特別企画『自己との対話〜2013年を振り返る』第二回は、具体的にフィギュア漫画に関することについて振り返ってみたいと思います。」

「ものすごく手間がかかったって言っていたけど、具体的にはどんなん?」

「フィギュア漫画『Final Labyrinth〜涼宮ハルヒの迷宮(仮題)』は、大きく7つの工程を経てつくられてる。まず1)ネーム/絵コンテ作業。2)小物/セット制作。3)撮影。4)パス抜き。5)画像合成。6)レイアウト。7)JPEG出力/HTML組み付け。このうち1)を除けば、簡易セットだけのストーリー展開という好条件であれば、一ヶ月くらいでお披露目できるのだが、セットや小物をこしらえたり、全編合成が必要になってくると、現状2ヶ月で終われるかどうかいったところだ。」

「好条件でも一月かかるんですか……。」

「もっと効率化できんのか?」

「頑張ってはいるんだけどね。現状どうしても画像合成は避けられないし、そのためのパス抜き作業は必要になってくる。実はこの作業に一番時間がかかっているんだ。だいぶ早く抜けるようになったけれど、手作業だから限界はあるし、一画面に複数のキャラクターが並ぶようなカットだとどうしても時間がかかってしまう。」

「そういったシーンは避けられないのですよね。」

「たしかに、ネームの段階で工夫するという手はあるんだけれど、そうしたら画面が単調でつまらないものになりがちなんだ。生首とセリフばかりが並ぶ漫画なんておもしろくないだろう? “絵”として魅せたいというのもあるし、単にセリフが並ぶシーンでもアングルを細かく変えることで単調さを和らげる効果があったりするから、時間短縮を名目に画面構成に手を抜くべきではないと思うよ。」

「でも、この調子だと死ぬまでに完結できないだろ?」

「目下その恐れがあってね(笑)。いま絵コンテは33話で足踏み状態なんだけど、ストーリー全体からみればまだまだ序盤でね。このあと十数話かけて最初のヤマ場を描く予定なんだけど、それでも1/4もいかない。ざっと見積もっても、200話を超えるボリュームになるんじゃないかな。」

「そんな超大作、完成できんの?」

「どうだろうね? 無事完成できることを願うばかりだけど、どうなるかはわからない。」

「でも、これにかかりきりになると、他の創作活動が進まないことになりますよね?」

「そうなんだ、今年浮上した最大の課題は、この作品に注力すると他に何もできなくなる。かといって他の作品を手がけると、今度はこちらが進まなくなる。実際クリスマス用イラストの制作時に並行作業を試みたことで、あやうくイラストが間に合わなくなるところだった。」

「途中でフィギュア漫画の制作を止めたんでしたね。」

「止めてなかったら間に合わなかったよ。イラストの完成が12月21日の夕方。姪っ子たちを待たせた状態で作業していたからね。」

「どこか出かける用事でも?」

「いや、単純に彼女たちの遊び相手になるだけだよ。私が部屋に篭ってると呼びに来るんだ。」

「この、ロリコ〜ンっ!」

「誤解を招く表現をするな、ゴルァ!」

「姪っ子さんの話はともかく、なんとかスピードアップしないとマズイですね。」

「そうだね、なんとか5話までリリースできたけれど、この調子では年4話がいいところ。そうしたら完結まで50年はかかるし、そこまで生きていられんだろう。こればかりやっているわけにもいかないし、他にも作りたい作品もあるし。」

「他にもなにか考えているのか?」

「一応フィギュア漫画の構想は他にもあって、そのうちもう一つを来年は始動させたいと考えているよ。」

「主役はワシ?」

「それはない(笑)。」

まどか
「あんまりだよ! こんなの絶対おかしいよ!」

「まどかさん、そう気を落とさずに……。それより、共倒れになりませんか?」

「その恐れがあるからこそ、スピードアップは至上命題だね。」

「具体的な対策はあるんですか?」

「実は具体的な対策というのはないんだ。一番は人を増やすことだけれど、それは無理だ。ただで働いてくれる人はいないし、機材もないし。そもそも無償で労働力を募るなんて失礼な話だよね。それはともかく、現状一番時間を喰っているのがパス抜きだから、これを何とかスピードアップするしかない。パス抜きしやすい写真を撮る−−−−機械的にクオリティの高いマスクが作れるような精度の高い写真を撮るのが一番だろうね。」

「ということは、カメラの買い替え?」

「出来ればそうしたいところなんだが……。狙っていたカメラが値上がりして、予算に収まらなくなってしまったんだ。本当はプロ用機材にしたほうがいいんだが、そんなことを言っていたらいつまでたっても手に入らないからね。とはいえ、このまま指加えてみているわけにもいかないし、でも先立つものがなくては……ね。」

「もしかして、フィギュア購入のために予算が確保出来なかったりしてません?」

「じゃあ、次回はその件について話をしようか。」
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