PC(Mac)トラブルとその顛末(後編)

翼
「どうも皆さん、先日よりお送りしている、あねさと家のPC/Macの不具合と、その顛末についてのレポートです。第二回目となる今回は、外付け化した200GBのHDDのその後から始まる騒動についてご報告します。」

「ええっと……。前回は不具合の起きたMac用に新しく200GBのHDDを購入したものの、使えなかったので、外付けケースを買ったという話でしたね。」


「それで終わらなかったということは……、使えなかったのか?」

「いいや、問題なかったよ。しかし運用の都合でMacでは使わないことにしたんだ。」

「どういうこと?」

「外付け機器を増やすと、電源の確保が難しくなるんでね。それでなくてもタコ足配線で結構マズい状況だからね。」

「実際、電圧降下が顕著となった時期があって……。機器の繋ぎ替えでなんとか収まったみたいだけど、CRTにかなりの負荷がかかったの」。

「もうCRTは売ってないからね。壊れでもしたら適わんよ。」

「いまどきCRTなんですか?」

「下手なLCDよりは色再現性は高いのよ。LCDも相当進歩して、遜色なくなったけれど、色の深みなどはCRTの方に分があるわ。」

「ま、外付け化した200GB HDDをMacに繋げなかった理由はそれだけじゃないんだけどね。……13号機の事を覚えているかい?」

「確か、昨年末に話題にしましたね……。DeskTop環境に特化したLinuxディストリビューションである、ubuntuを入れてるという話だったと記憶してますが……。」

「思ったほど良くなかったって、言っていたような……。」

「そうだよ。よく覚えていたね。13号機はWindowsXPとubuntu12のデュアルブートで、ubuntuをメインに使っていたんだけど、半年近く運用していると、いろいろと問題が浮上するようになっていてね。」

「いくらWindowsと同等のブラウザやメーラーを使用しているとはいえ、完全に同じではないから……。使えないプラグインも出てくるし、サイトも同じように動くとは限らない。」

「一部のFLASHコンテンツが動かないというのは、まあ、ある程度は納得できるんだが、フォームのデータが正しく授受できないというのはね……。」

「あくまでもサイトの制作者/運営者に問題があるんだけれど、文句を言っても改善されるわけではないので、こちらが相手に合わせるしかない……。」

「Windowsの復活ですか……。」

「WindowsXPって、もうすぐサポートが切れるんじゃね?」

「仕方がないよ。まどっちが買ってくれるんなら話は別だけど。」

まどか
「こんなの絶対おかしいよ!」

「定番ネタ、ありがとうございます。」

「まあ、問題はそれだけじゃないんだけどね。」

「オープンソースで、商用OSではなく、利用者も限られていることから、ドライバが揃わず、ハードウェア関係ではどうしても不自由を強いられるところは否めないのだけれど、それ以外にも、機械的な相性問題が発覚してるの。」

「何ですか? その“機械的な相性問題”というのは……?」

「実はubuntuは、一部の外付けHDDを正しく認識できないんだ。」

「外付けHDDの中には、PCの起動に合わせて自動で電源が入る機能を持った製品があるのだけれど、その機能がついた外付けHDDを運用できないのよ。」

「すべての製品がそうだとは断言できないけれど、私の手元にある製品はすべてダメだった。これはこの機能を無効にしても同じ結果だった。そしてその機能を有していない――手動で電源投入するものは問題なく使用できた。」

「13号機には、以前、WindowsXPで運用していたときに使っていた外付けHDDがあるのだけれど、これが自動的に電源ONになる製品で……。ubuntuを導入してからはずっと使えなかったのよ。」

「……なるほど、わかりました。そこで、Mac用に手配しながら外付け化した200GBのHDDを、13号機用にしようと考えたのですね。」

「そうなんだ。今回手配したものは、マニュアルスイッチ式で、ubuntuでも問題なく運用できる。なので、いまま接続していた外付けHDDと交換することにしたんだ。」

「なるほど……。それで200GBを13号機に繋いで、いままでのHDDをMacに……。いや待てよ、電源の確保の問題は解決していないぞ!」

「まあ、それはそうなんだけど……。そのHDDはMacでは使わず、他のWindows機に接続することにしたの。」

「じゃあ、MacのHDDはどうするんです? 問題が発生したHDDを使い続けるわけにはいきませんよね。」

「そうだね。フィギュア漫画の制作時は、だましだまし使っていたのが真相なんだけど、作業後すぐに新しいHDDに取り替えたよ。」

「……ってことは、新たに買ったのか!?」

「実はMac用だけではなく、13号機用にも新規調達したんだ。」

「えっ? どういうことなんです?」

「前述したとおり、13号機はubuntuメインで運用していたけれど、いろいろと問題が生じていたという話をしたわよね。なので、これを機会にWindowsXPメインに戻すことにしたのよ。サポート切れちゃうけど、利便性には適わないって……。ただ、セキュリティの観点からもubuntuは残した方がよくって……。一時は削除することも考えたんだけど、せっかく構築した環境を手放すのは勇気がいるのよ。」

「ただ、このまま運用するにしても、Windows側もubuntu側も手狭でね……。Dドライブにubuntuを振り分けることも考えたのだけれど、技術的に結構難しいようなので、倍のサイズのHDDを買ってきて、それにまるまる移し替えることにしたんだ。」


「こうすれば、設定や構成に手を加えることなく容量を拡充できるから、余計なトラブルも回避できるわ。」

「13号機は作業で使うマシンですからね。」

「じゃあ、その13号機と4号機用にHDDを買いなおしたということか?」

「そうだね。先の200GBは外付化して13号機に接続。さらに80GBと120GBを追加購入し、80GBに13号機のシステムを移し替えて、これを装着。120GBは4号機に内蔵し、先に買った180GB外付けと併せて運用という形で落ち着いたよ。」


「結構費用が嵩みましたね……。ずいぶん回り道したような……。」

朝倉
「確かにそうだけど、でもこれで以前よりずっとパワーアップできたじゃない? ね、ダーリン!」

(なんじゃ、この女……、なれなれしい奴だな……)。

「ま、懐的には痛かったけどね。だけどいい機会だと思ったから頑張ったよ。ついでながらOSも強化した。」

「えっ? どういうことですか?」

「4号機のOSは、先に説明したとおり、MacOS9.2とMacOS X 10.1のデュアルブート環境だったんだけれど、MacOS X 10.1がどうにも“帯に短したすきに流し”でね。」

「そこで、より洗練されたMacoOS X 10.2を手に入れることにしたの!」

「本当は10.3が欲しかったんだけど、予算の都合もあってね……。10.2にすると、Windowsネットワークとの接続も標準でサポートしているし、いろいろと都合がいいんだ。」

「ちょうど、13号機のHDDを入れ替えて、そのHDDが余ったから、そちらを4号機用のシステムHDDにして、いままでのMacoOS9.2とMacOS X 10.1に加えてMacOS X 10.2を入れることにしたのよ。」


「うひゃぁああああ! トリプルブートか!」

「まあ、メインはいままで通りMacOS9.2だけどね。これまで使っていたシステム用HDDが実はサムソン製のドライブで、4号機とはあまり相性が良くなくて、時々ブートできない症状が発生していたから、刷新するいい機会でもあったよ。」

「サムソンの20GB HDDは、5号機に取り付ける予定よ。まあ、5号機はもうほとんど使ってないんですけどね。」

「……まあ、これでとりあえず一件落着ということだな。」

「4号機と13号機に関してはね。サーバの電源強化とか、モバイルルータの故障とか、他にも問題や課題は山積してはいるんだけど、とりあえず、創作の環境だけは復旧したよ。」

「これで、フィギュア漫画の制作に没頭できますね……。だいぶ遅れましたから取り返さないといけませんね。」

「そうだね。で、君たち、何か気がついたことはないかい?」

「気がついたこと……ですか?」

まどか
「おっ! ワシがキレイになってる!」

「誤解を招くような発言は慎んでください! ……でも、いままでよりも鮮明に映ってますね、私たち。」」

「そうなんだ、懸案だったカメラの問題、いい機会だったので、新しいの、買ったんだ。清水の舞台から飛び降りるような形になったけど、奮発してみたよ。」


「えっぇええええええええっ!!」

「大丈夫なんですか?」

「いや、ヤバイよ(苦笑)。でも購入する最後の機会だと思ったから、頑張ったよ。」

まどか
「これでまだ10年は戦えるな!」

朝倉
「ううん、それは無理。」

「10年はさすがに無理だけど、まだしばらくはやれそうだよ。ひょっとしたら、制作スピードも上げられるかもしれない。」

「いろいろと期待が持てそうですね!」

「……というわけで、パワーアップする形で、なんとかトラブルを乗り越えました。強化された制作環境のもとで、より一層、作品制作に励んでいきたいと思います。」

お楽しみに!
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