自己との対話~2014年を振り返る(2)

翼
「年末特別企画『自己との対話~2014年を振り返る』。第二回目は、フィギュア漫画について、ゲストを交えながら詳しく振り返ってみたいと思います。」

「では早速、フィギュア漫画について語っていきましょう。」

「ちょっと待て! ゲストっていったい誰?」

ユーミル
「ナハハハハハ! ワシじゃ! ドワーフ族の王女、ユーミルじゃ! よろしくのう。」

まどか
(もしかして……、キャラ被ってないか!?)

「まどかさん、よろしいですか?」

「お、おう……! 昨年同様、今年も随分と制作が遅れたようだけど、いったい何があったんじゃ?」

「端的に言えば、2014年公開分すべてが、合成作業を必要とするエピソードで、その作業に時間を大きく取られてしまったんだよ。」

「確か昨年、“パス抜きをしやすい写真を撮る”ことでスピードアップを図る事を考えているとおっしゃってましたよね。で、今年の3月末にカメラを新調しましたが……。」

「確かに。ただ、クオリティの高い写真を撮るにはカメラを買い換えただけじゃダメで、撮影条件-------ライティングや背景、カラーバランス等も整えなくてはいけないんだ。」

「それが実現できなかった、と?」

「まあ、最初からそれを整えるのは難しいと思っていたから、今年は特に対策をとっていないよ。いずれは手をつけるべき事案だけどね。だが根本的な要因もあって、条件がすべて整っていてもスピードアップ-------要は人力ではなく、画像編集ソフトのアルゴリズムを使って切抜きをするのは難しそうだね。

「どういうこと?」

「ちょうどユーミル王女がいるから、彼女をよく見て欲しい。彼女のコスチュームの色合いには、黒や白、暖色系や寒色系がたくさん取り入れられているだろう?」

「そういえば、ワシの戦闘服もカラフルだな。」

「実はこれが切り抜きの際、ネックになる。合成を前提とした撮影の場合、背景色をブルーもしくはグリーンにすることが多い。この色は人物の肌と補色関係にあるので、これらの色を背景にしておくと、ソフトウェアの処理だけで切抜きができるためなんだ。」

「それが働かない、と?」

「初期の特撮は特にそうなんだけれども、合成時に違和感が出ず、なおかつ綺麗に抜けるように色設計してコスチュームを作成しているんだけれども、アニメーションが原作媒体の場合はその必要がないから自由に色設計が出来る。逆に言えば自由に色設計されているものを立体化したフィギュアを使用しているから、特撮の作業セオリーのようにはいかないというところもあるんだ。」

「ということは、合成作業そのものを減らさないとスピードアップは図れそうもないですね。」

「ワシも味気ないバックで演技するのは寂しいものがあるのう……。」

「確かにそうだね。初期の特撮作品でも、時間とお金がかかるこれらのシーンを減らすためにいろいろなアイディアを出していたりしたからね。ただ、『Final Labyrinth~涼宮ハルヒの迷宮(仮題)』はファンタジー作品だから、ちょっと難しい。」

「すでに話が進んでいるから、いきなり路線変更も出来ないのう。」

「絵コンテも大分進めてますしね。なんだか、絵コンテをクリーンナップして公開した方がよろしくありませんか?」

「下手な絵でもよければね。ただそれだと巷にある二次創作同人作品と変わらないから、やっぱりフィギュア漫画として公開すべきだと思うよ。」

「それよりもワシは話の続きが気になる。あのあとどうなるんじゃあ!? みんな助かるのか!?」

「それは、ワシがこうしているからには……。」

「おおっと、その先は禁句だよ。予定通りいけば1月末には公開できるから、それまで待っててくれないか。」

「待つのはいいんですけど、その9話のあと、またしばらく待たされるんですよね?」

「10話以降の撮影はまだだから、その分間は開くけれど、セット撮影が増えるから、処理の時間は短縮できると思うよ。もっとも10話についてはユーミル王女の改造を検討しなくてはならないんだけれど。」

「何っ!? ワシが改造されてしまうのか!?」

「それ、なんてライダー?」

「いや、別に改造手術を受けてパワーアップするというわけではないよ。詳しいことは話せないけど、演出上の都合で人形に改造を施したいと思っているだけさ。ただ制作時間との兼ね合いもあるから、無改造で撮影に挑む可能性も少なくない。」

「なんだ、改造されてピンチを脱するんじゃないのか……。」

「それやったら、世界観メチャクチャになるじゃないですか!」
(続く)
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No title
“フィギュア漫画”はいいですね。
ボクの方は、なんちゃって合成ですが、それでも切り抜きは骨ですね。
撮影の時に小物の位置や色目を気をつけていても合成の段階であちゃーってなっちゃうことが多いです。
ボクの方は、なんちゃって合成ですが、それでも切り抜きは骨ですね。
撮影の時に小物の位置や色目を気をつけていても合成の段階であちゃーってなっちゃうことが多いです。
楽しいが楽ではない、でも楽しい
>黒江龍雄様
合成とその準備の切り抜き作業は本当にたいへんですね。
ある程度自動化できないか暗中模索を続けていますが
やっぱり人の手には敵わないなぁと思うことしばしばです。
自分は絵コンテを描いてから撮影に挑むことも多いのですが
なかなか狙い通りにはいかないですね。
以前のメイキング記事にも載せたとおり、
何度も再撮影したことも多々あります。
黒江さんの作品は、小道具の使い方がとても上手で
いろいろと勉強させてもらっています。
フィギュア漫画はいろいろとたいへんなことも多いですが
楽しいことも山ほどありますので、興味をお持ちの方には
是非チャレンジして頂きたいですね。
コメント、ありがとうございました。
合成とその準備の切り抜き作業は本当にたいへんですね。
ある程度自動化できないか暗中模索を続けていますが
やっぱり人の手には敵わないなぁと思うことしばしばです。
自分は絵コンテを描いてから撮影に挑むことも多いのですが
なかなか狙い通りにはいかないですね。
以前のメイキング記事にも載せたとおり、
何度も再撮影したことも多々あります。
黒江さんの作品は、小道具の使い方がとても上手で
いろいろと勉強させてもらっています。
フィギュア漫画はいろいろとたいへんなことも多いですが
楽しいことも山ほどありますので、興味をお持ちの方には
是非チャレンジして頂きたいですね。
コメント、ありがとうございました。