2016年暑中見舞いイラスト メイキング(2)
前回に引き続き、「2016年暑中見舞い」イラストのメイキング記事をお届けします。
今回の作業は、最も時間を要する彩色です。

前回に引き続き、今回の記事も15歳未満の読者の閲覧を禁止させていただきます。御了承ください。
15歳以上で間違いありませんね?
では彩色作業です。
重ねて言いますが、15歳未満の方は閲覧しないでください。彩色すると余計に生々しくなりますので。
では話を進めましょう。
作業の手順には個人差が大きいのですが、私はまず顔、そして目から取り掛かることにしています。というのも、ここが肝心なところだから。絵には人格がありませんので、顔の良し悪しが評価の決め手になっちゃうんですね(苦笑)。個人的にも以降の作業にノレるか否か、ここが重要なポイントだったりします。カワイイ娘の方が描いていて楽しいでしょ?(笑)。
瞳

今回は茶色の髪の毛だったので楽だったのですが、青い髪だったり緑の髪だったり、プラチナブロンドの髪場合、瞳の彩色は毎回悩みます。(というか、悩みたくなかったので茶色の髪にしました)。眉や睫が薄い色だと映えないんですよね。結構気を使う部分だったりします。
顔

髪の毛がないせいか、ちょっと男の子っぽい感じですね(笑)。今回は手を抜きましたが、いつもは頭の形もしっかり整えています。おかげで坊主頭が似合う女の人は美人という先入観を持つようになりました(笑)。
なお後述しますが、この作業の最中混乱が生じ、スケジュールに遅延が発生していました(恥)。

賛否両論あるかと思いますが、メイクも施してます。(アイシャドウ、チーク、リップ)。化粧をさせると顔が華やかになるんですね。また中央部に赤みを入れることで、はにかんだ雰囲気を持たせてます。
顔の次は身体です。

今回はいつも使っている色パレット----色の組み合わせとは違うものを試したんですが、そのせいか彩色作業が混乱して、数日作業が滞ってしまいました。他の絵師さんのイラストを参考に色味を変えてみたんですが、それが自分の色感覚と合わなかったようで、満足のいく結果とはなりませんでした。sRGB色空間に変換しても、いつもよりくすんだ感じで失敗でしたね。幸い日焼け肌っぽい感じにはなりましたが、目論見どおりにはいきませんでした。
ところで彩色プロセスですが、恐らく多くの人はベースの色に、暗くなる部分に濃い色を、光のあたっている部分に明るい色を置く形で描いていると思います。水彩などの場合は明るい部分をベースにして、暗くなっている部分に色を重ねてるのではないでしょうか。
私も最初のうちは、ベース色から明るい色、暗い色を置くスタイルでしたが、この方法だと仕上げ作業のときに(細かな)問題が発生することに気が付き、以降は暗い色をベースに明るい色を重ねていくスタイルに変更しました。境界部分で明るい色が出てしまうんですよ。暗い色を重ねてもカバーできない。当該色をマスクすればいいんですが、その手間よりも思考プロセスを変えたほうが、絵の上達という意味ではいいのかな、と。
ただ今回の場合、細部-----特に肩周りに間違いが散見されてますね。骨格と筋肉の付き方の知識からの演繹で描いてるからなぁ……。光の当たり方とか、イメージしながら描くのは本当にたいへんで、頭脳が疲労するんです。今は裸ないしはそれ同然ですからまだいいんですが、浴衣とかドレスとかになると、もう“勘弁してください!”な心境になります。
…ということで、年中無休&無給で裸体にも着衣にも対応してくれて、ついでに疲れたときに添い寝してくれる、優しくて美しいナイスバディの20歳以上の女性モデルさん、待ってます!
※冗談だから本気にしちゃダメよ。いや、拒否はしないけど……。
ついでながら、裸体版の彩色もしています。

この辺は水着版の流用が効くので、それほど手間ではなかったりします。
いつまでも坊主頭ではなんなので、頭髪を彩色しましょう。

頭髪の彩色に関して難しいポイントは、
1)鬘を被っているかのようにボリュームアップして見える。
2)逆に髪が重たく見え、ボリューム感が感じられなくなる。
というものがあります。
1)に関しては、アウトライン作業時に気をつけなくてはならないところで、坊主頭のラインに注意しながら描写することが肝用となります。
2)に関しては色設計とキャッチライトの使い方の工夫が必要となる部分ですね。
いずれにしろ頭髪の表現は、彩色作業の中でも最も難しい部類の一つで、毎回苦労させられるところでもあります。特にベジェ曲線による描画は直感的には出来ませんから、細かで丁寧な作業が求められます。アンカーポイントも多くなり、ハンドルの方向を変える作業も必然的に増えてきます。画面を拡大しての作業と、俯瞰しながらの作業が行き来するため、マルチモニタは必須です。

皆さん気になる(?)乳首の表現。

ちょっとミスってる部分もありますが、(いま見つけた;爆)、こんな感じ。着衣なのでつぶれた感じのほうがいいのかもしれませんが、水着だしね。ちょっと色が濃い感じがするかもしれませんが、実は濃い目の色が普通で、薄いピンク色なんてのは妄想です。
あと、あまりうまくいかなかったのですが、乳輪周りのぶつぶつはモントゴメリー腺といって、赤ちゃんが母乳を吸う際、乳首の位置を知るために必要な器官なのだそうです。なので嫌がったりしないでくださいね。身体に無駄な器官なのないのです!
裸体版はこっち

陰毛

この段階では、うまく表現できるだろうかと不安がいっぱいでした。
一通り身体の彩色が終われば、次は衣装を手掛けます。今回は水着ですから楽ですね。

衣装の描画の際、難しいのは裾の部分のような重ね合わせの表現でしょうか。裏地が見え、肌ないしはインナーの上に服が重なるような表現は、レイヤーの重ね方など、工夫が必要です。

手や指の表現もむずかしいところで、特に今回のような位置関係にあるものは毎度悩まされます。まるでパズルを解いているかのよう(苦笑)。
首にかけたタオルも彩色して、ほぼ終了。

忘れずに、水着の影になる部分(肌)、タオルの影になる部分(肌、水着)も描画します。

こういった細かい部分も手を抜けません。
ビキニ版

タオルも白なので、タオルはない方が良かったですかね。もしくは色を変えるべきだったでしょうか。
試験的に(?)

ま、要するに肝心なところが“透けている”ですが、“透ける”描写も実は難しいところがあり、単純にレイヤーの透明度を調整すればいいというだけのものではなかったりします。

こんな風に、方向性はアレですが、いくつかの実験要素も踏まえた形で制作にあたっていました。
背景も描いて、彩色作業完了


ま、こんなのも出来上がりますね(苦笑)

この後は仕上げ作業に入るのですが、この段階でも絵として違和感のないところまで描画することにしています。これくらいしっかり作業をしておかないと、仕上げ作業で苦労してしまうんですね。その意味では出来上がりを左右する最も大事な作業が彩色作業だったりします。
余計なサービスカットもあったので長くなりました。次回はいよいよ仕上げ作業です。お楽しみに。
今回の作業は、最も時間を要する彩色です。

前回に引き続き、今回の記事も15歳未満の読者の閲覧を禁止させていただきます。御了承ください。
15歳以上で間違いありませんね?
では彩色作業です。
重ねて言いますが、15歳未満の方は閲覧しないでください。彩色すると余計に生々しくなりますので。
では話を進めましょう。
作業の手順には個人差が大きいのですが、私はまず顔、そして目から取り掛かることにしています。というのも、ここが肝心なところだから。絵には人格がありませんので、顔の良し悪しが評価の決め手になっちゃうんですね(苦笑)。個人的にも以降の作業にノレるか否か、ここが重要なポイントだったりします。カワイイ娘の方が描いていて楽しいでしょ?(笑)。
瞳

今回は茶色の髪の毛だったので楽だったのですが、青い髪だったり緑の髪だったり、プラチナブロンドの髪場合、瞳の彩色は毎回悩みます。(というか、悩みたくなかったので茶色の髪にしました)。眉や睫が薄い色だと映えないんですよね。結構気を使う部分だったりします。
顔

髪の毛がないせいか、ちょっと男の子っぽい感じですね(笑)。今回は手を抜きましたが、いつもは頭の形もしっかり整えています。おかげで坊主頭が似合う女の人は美人という先入観を持つようになりました(笑)。
なお後述しますが、この作業の最中混乱が生じ、スケジュールに遅延が発生していました(恥)。

賛否両論あるかと思いますが、メイクも施してます。(アイシャドウ、チーク、リップ)。化粧をさせると顔が華やかになるんですね。また中央部に赤みを入れることで、はにかんだ雰囲気を持たせてます。
顔の次は身体です。

今回はいつも使っている色パレット----色の組み合わせとは違うものを試したんですが、そのせいか彩色作業が混乱して、数日作業が滞ってしまいました。他の絵師さんのイラストを参考に色味を変えてみたんですが、それが自分の色感覚と合わなかったようで、満足のいく結果とはなりませんでした。sRGB色空間に変換しても、いつもよりくすんだ感じで失敗でしたね。幸い日焼け肌っぽい感じにはなりましたが、目論見どおりにはいきませんでした。
ところで彩色プロセスですが、恐らく多くの人はベースの色に、暗くなる部分に濃い色を、光のあたっている部分に明るい色を置く形で描いていると思います。水彩などの場合は明るい部分をベースにして、暗くなっている部分に色を重ねてるのではないでしょうか。
私も最初のうちは、ベース色から明るい色、暗い色を置くスタイルでしたが、この方法だと仕上げ作業のときに(細かな)問題が発生することに気が付き、以降は暗い色をベースに明るい色を重ねていくスタイルに変更しました。境界部分で明るい色が出てしまうんですよ。暗い色を重ねてもカバーできない。当該色をマスクすればいいんですが、その手間よりも思考プロセスを変えたほうが、絵の上達という意味ではいいのかな、と。
ただ今回の場合、細部-----特に肩周りに間違いが散見されてますね。骨格と筋肉の付き方の知識からの演繹で描いてるからなぁ……。光の当たり方とか、イメージしながら描くのは本当にたいへんで、頭脳が疲労するんです。今は裸ないしはそれ同然ですからまだいいんですが、浴衣とかドレスとかになると、もう“勘弁してください!”な心境になります。
…ということで、年中無休&無給で裸体にも着衣にも対応してくれて、ついでに疲れたときに添い寝してくれる、優しくて美しいナイスバディの20歳以上の女性モデルさん、待ってます!
※冗談だから本気にしちゃダメよ。いや、拒否はしないけど……。
ついでながら、裸体版の彩色もしています。

この辺は水着版の流用が効くので、それほど手間ではなかったりします。
いつまでも坊主頭ではなんなので、頭髪を彩色しましょう。

頭髪の彩色に関して難しいポイントは、
1)鬘を被っているかのようにボリュームアップして見える。
2)逆に髪が重たく見え、ボリューム感が感じられなくなる。
というものがあります。
1)に関しては、アウトライン作業時に気をつけなくてはならないところで、坊主頭のラインに注意しながら描写することが肝用となります。
2)に関しては色設計とキャッチライトの使い方の工夫が必要となる部分ですね。
いずれにしろ頭髪の表現は、彩色作業の中でも最も難しい部類の一つで、毎回苦労させられるところでもあります。特にベジェ曲線による描画は直感的には出来ませんから、細かで丁寧な作業が求められます。アンカーポイントも多くなり、ハンドルの方向を変える作業も必然的に増えてきます。画面を拡大しての作業と、俯瞰しながらの作業が行き来するため、マルチモニタは必須です。

皆さん気になる(?)乳首の表現。

ちょっとミスってる部分もありますが、(いま見つけた;爆)、こんな感じ。着衣なのでつぶれた感じのほうがいいのかもしれませんが、水着だしね。ちょっと色が濃い感じがするかもしれませんが、実は濃い目の色が普通で、薄いピンク色なんてのは妄想です。
あと、あまりうまくいかなかったのですが、乳輪周りのぶつぶつはモントゴメリー腺といって、赤ちゃんが母乳を吸う際、乳首の位置を知るために必要な器官なのだそうです。なので嫌がったりしないでくださいね。身体に無駄な器官なのないのです!
裸体版はこっち

陰毛

この段階では、うまく表現できるだろうかと不安がいっぱいでした。
一通り身体の彩色が終われば、次は衣装を手掛けます。今回は水着ですから楽ですね。

衣装の描画の際、難しいのは裾の部分のような重ね合わせの表現でしょうか。裏地が見え、肌ないしはインナーの上に服が重なるような表現は、レイヤーの重ね方など、工夫が必要です。

手や指の表現もむずかしいところで、特に今回のような位置関係にあるものは毎度悩まされます。まるでパズルを解いているかのよう(苦笑)。
首にかけたタオルも彩色して、ほぼ終了。

忘れずに、水着の影になる部分(肌)、タオルの影になる部分(肌、水着)も描画します。

こういった細かい部分も手を抜けません。
ビキニ版

タオルも白なので、タオルはない方が良かったですかね。もしくは色を変えるべきだったでしょうか。
試験的に(?)

ま、要するに肝心なところが“透けている”ですが、“透ける”描写も実は難しいところがあり、単純にレイヤーの透明度を調整すればいいというだけのものではなかったりします。

こんな風に、方向性はアレですが、いくつかの実験要素も踏まえた形で制作にあたっていました。
背景も描いて、彩色作業完了


ま、こんなのも出来上がりますね(苦笑)

この後は仕上げ作業に入るのですが、この段階でも絵として違和感のないところまで描画することにしています。これくらいしっかり作業をしておかないと、仕上げ作業で苦労してしまうんですね。その意味では出来上がりを左右する最も大事な作業が彩色作業だったりします。
余計なサービスカットもあったので長くなりました。次回はいよいよ仕上げ作業です。お楽しみに。
- 関連記事
-
- “迷宮”メイキング(10)~背景制作(その1)
- 2016年暑中見舞いイラスト メイキング(3)
- 2016年暑中見舞いイラスト メイキング(2)
- 2016年暑中見舞いイラスト メイキング(1)
- クリスマス用イラスト2015 メイキング
スポンサーサイト