ダイアクロン「パワードスーツ」
“ダイアクロン”と言う言葉が再び人々の口から発せられるようになったのは、2015年の秋のこと。タカラトミーが“ダイアクロン”を復活=新生させるという話題は、マニアの好奇心を掻きたてました。
そして昨年、新生第一弾として「ダイアバトルス V2」が、そして今年、新生第二弾として「パワードシステムセット」なる新型パワードスーツが発売されたのは記憶に新しいところ。

今回はその“元祖”となる(旧)ダイアクロン「パワードスーツ」をご紹介しましょう!
その前におさらい。
「ダイアクロン」は、タカラ(現タカラトミー)が1980年から1984年にかけて発売した、オリジナルコンテンツの玩具シリーズ。
当時、タカラは“ミクロマン”や“タイマニック”なども展開していましたが、“タイマニック”が短命に終わったこともあって、新たなる玩具シリーズを必要としていた背景がありました。
“ダイアクロン”はそんな状況下で生まれた玩具シリーズでもありました。
コンテンツの展開にあたって、その世界観とストーリーは雑誌「テレビマガジン」にて、成井紀郎(なるい としろう)先生による漫画が連載されました。
この漫画が……、結構面白くて(笑)。たしか、初期の頃は結構シリアスなストーリーだったんですが、回を重ねるごとにどんどんギャグ路線になり……(笑)。
成井先生はその後、「コミックボンボン」創刊時の連載陣として名を連ね、マジンガーやライダー、ウルトラマン等総出演・パロディ満載のギャグ漫画「秘密指令0059(セロセロゴクウ)」で、その才能を如何なく発揮されてました。
ダイアクロンに戻りましょう。
ダイアクロンの最初の商品は、伝説の“ロボットベース”!
これは基地型ロボットとも、ロボット型基地ともいえるようなもので、その大きさもあって、存在感は抜群でした。当時としても高価な玩具でしたが、多くの子供達を虜にした憧れの玩具でした。ダイアクロンの成功は、この“ロボットベース”の存在が故といっても過言ではないでしょう。メチャクチャかっこ良かったンだからぁ!
さらに合体・変形ロボ“ダイアバトルス”が発売されたあたりで、その人気は最初の頂点に達します。当時“ミクロマン”の人気がかげりを見せ、さらにリニューアルされる時期にあたっていたため、“ダイアクロン”は、当時のタカラを支える玩具シリーズになっていたのですね
ただ、このシリーズ、難点だったのが比較的高価な玩具だったこと。プラスチック主体だった“ミクロマン”と違い、亜鉛合金の使用比率が高かったこともあって、玩具の単価自体はこれまでの玩具シリーズよりは高額でした。ミクロマンなら小学生の小遣いで買えましたが、ダイアクロンとなるとそうもいかず、私は結局一つも買うことなく終わりました。
えっ、いま紹介しているものは何なのか、ですって?

じつはこれ、この玩具が発売されて数年後に、当時の友人から安く譲ってもらったものなんです。それでも長いこと我が家の物入れの奥深くに眠っていたことは間違いなく、これを発掘した時は感無量でした(笑)。
話を戻しましょう。
“パワードスーツ”は、そんな比較的高価な“ダイアクロン”シリーズの中でも最も安価な玩具の一つでした。これなら子供達の小遣いでも充分購入できることもあって、それなりに人気商品だったと記憶しています。
また当時、ちょっとした“パワードスーツ”ブームだったという背景もあったでしょうか。
じつはこの前後に「機動戦士ガンダム」が放送されましたが、あの“モビルスーツ”は“パワードスーツ”を意識して付けられたネーミングでしたし、“パワードスーツ”という言葉自体、ロバート・A・ハイライン原作のSF小説「宇宙の戦士」(1959)にて登場したものでした。さらに日本語訳の文庫本にスタジオぬえによる挿絵がつかわれたことで、そのイメージが一気に定着したという背景があります。
“ダイアクロン”の“パワードスーツ”も、その系統上にある商品デザインの玩具でした。
長々と語っていきましたが、この辺で商品を詳しく見ていきましょう!
パッケージ正面

透明窓から、パワードスーツとダイアクロン隊員を覗くことが出来ます。
裏面

遊び方やシールを貼る場所が記載されてます。
側面

パワードスーツの説明が記載されてます
側面

商品は三種類。この商品はBタイプになります。
側面

ロゴがカッコイイですね!
パッケージ内部

当時の商品同様、発泡スチロールの梱包になってます。

本体と隊員、台座、ミサイル発射機、ミサイル、とシンプルな構成。このほかにシールも付いてましたが紛失しています。またミサイルも予備が入っていた記憶があります。
正面

左側面

背面

Bタイプは台座を装着してから、その台座にミサイル発射機を装着する仕様です
右側面

大きなミサイル発射機を背負っていることもあって、本体がダイキャスト製でもリアヘビーです。

可動部はミサイルとハッチを除くと、腕が僅かに動くだけでほとんど可動しません。
動くのはもっぱらダイアクロン隊員(笑)。

ダイアクロン隊員は腕と足が動く他、底部のマグネットで鉄にくっつけることが出来ます。
大きさは1/72~1/60くらいでしょうか。

当時のお約束で、ミサイルはスプリングの力で飛ばすことが出来ます。なのでよく紛失しました(恥)。一発しか残ってないのでもう飛ばせません(笑)。

手首が回転する仕様ですが、これにより手首を取り外すことが出来ます。ただ別に“ロケットパンチ”になっているというわけではありません。
全身がほぼダイキャスト製で、ミサイルを飛ばす以外、遊びようがない 紹介しようがない“パワードスーツ”。子供の頃、これでどうやって遊んだのか思い出せませんが(苦笑)、ミクロマンを交えて楽しんでいたんだと思います。
というわけで、以上、ダイアクロン「パワードスーツ」のご紹介でした!
…………と、ここで終わるのもなんなので、さらに。
実は、このダイアクロンのシリーズは、プラモデルも発売されていました。

“えっ、元々玩具なのに!?”と思われるかもしれませんが、(株)日東科学はタカラと深い関係にあったらしく、タカラ製のプラモデルも日東科学(以下、ニットー)が製造を担当していたものも少なくないとか。
実際、タカラがスポンサーだった番組の模型商品も、低価格帯のものはニットーが発売するなど、両社は密接な協力関係にあったようです。
1982年の日本プラスチックモデル工業協同組合の下敷きが残っているんですが、これを見ると、ニットーの欄には、タカラの“ニューミクロマン”のキャラクターのプラモデルがラインナップされています。

今はなき模型メーカーの名前も書かれていて、諸行無常を感じさせます。

これ、玩具じゃなくてプラモデル買っちゃうよなぁ……(苦笑)。
日東科学は一度廃業してしまうのですが、現在は再建されて、日用品や工業用プラスチック製品の製造を主に手掛けているそうです。
外箱正面

リアルタイプということで、精悍ですね。
外箱左側面

当該商品を使ったジオラマ写真が並べられてます。
外箱右側面

完成例写真になってます。
外箱裏面

当時の100円プラモデルの例に漏れず、組み立て説明図が記載されてます。
リーフレット

モディファイ情報や遊び方の例が記載されています。
正面

この商品はAタイプのパワードスーツになります。
左側面

実は、元の所有者は私の妹(笑)。彼女がどうしてこれを入手したのか、その経緯は思い出せません(笑)。
背面

接着剤不要のスナップフィットキットで、初心者でも簡単につくれるモデルでした。故にバリとか残ってますし、組み立ても適当です(恥)。
右側面

確か、つくるの手伝った記憶があるのですが……(???)

ダイキャストだった玩具版とは異なり、プラモデル版は脚も腕も稼動します。ハッチも開いて、ミサイルも撃てて、ダイアクロン隊員も付いていて、こちらの方がお得でした(爆)。
もう一つ、こちらは私所有のもの。
正面

Bタイプのパワードスーツです。
左側面

中途半端ながら、いっちょ前に塗装してます(笑)。
背面

台座やミサイル発射機の大きさは、玩具版とほぼ同じ。もしかしたら同じ金型を使っているのかもしれません。
右側面

可動

結構遊んでたので、へたってましたが、よく動くモデルでした。
玩具版との比較

模型版のほうが二回りほど大きいことがわかります。
ハッチを開けて

搭乗するダイアクロン隊員の大きさはほぼ同じ。玩具版のダイアクロン隊員を模型版に乗せることも、逆に模型版の隊員を玩具版のパワードスーツに乗せることも出来ます。
ダイアクロン隊員を並べて


細部に異なるところもありますが、ほぼ同一で、金型の一部を共用しているのではないかと思われます。(材質は玩具版と模型版で異なります)。

「敵の攻撃は激しいが、ここは死守するぞ!!」
玩具版がほとんど動かないので(恥)、ちょっとやりようがなかったのですが、こんな感じで遊べますね。
ダイアクロンの最初の商品が発売されてから三十余年。まさか“ダイアクロン”が新生されるとは思ってませんでした。しかもその第二弾商品が“パワードスーツ”ということにも感慨深いものがありますが、もし機会があれば新旧の“パワードスーツ”を比較してみてください。もしかすると、“ダイアクロン”の秘められた魅力を再発見できるかもしれません。
私もやってみたいですが、現状、ちょっと難しいですかね(苦笑)。
旧製品を入手できる機会はほとんどないと思いますが、今の若い人たちには、新しい“ダイアクロン”を存分に楽しんで、次世代にその魅力を伝えていって欲しいですね。
以上、タカラ&ニットー ダイアクロン「パワードスーツ」でした!
そして昨年、新生第一弾として「ダイアバトルス V2」が、そして今年、新生第二弾として「パワードシステムセット」なる新型パワードスーツが発売されたのは記憶に新しいところ。

今回はその“元祖”となる(旧)ダイアクロン「パワードスーツ」をご紹介しましょう!
その前におさらい。
「ダイアクロン」は、タカラ(現タカラトミー)が1980年から1984年にかけて発売した、オリジナルコンテンツの玩具シリーズ。
当時、タカラは“ミクロマン”や“タイマニック”なども展開していましたが、“タイマニック”が短命に終わったこともあって、新たなる玩具シリーズを必要としていた背景がありました。
“ダイアクロン”はそんな状況下で生まれた玩具シリーズでもありました。
コンテンツの展開にあたって、その世界観とストーリーは雑誌「テレビマガジン」にて、成井紀郎(なるい としろう)先生による漫画が連載されました。
この漫画が……、結構面白くて(笑)。たしか、初期の頃は結構シリアスなストーリーだったんですが、回を重ねるごとにどんどんギャグ路線になり……(笑)。
成井先生はその後、「コミックボンボン」創刊時の連載陣として名を連ね、マジンガーやライダー、ウルトラマン等総出演・パロディ満載のギャグ漫画「秘密指令0059(セロセロゴクウ)」で、その才能を如何なく発揮されてました。
ダイアクロンに戻りましょう。
ダイアクロンの最初の商品は、伝説の“ロボットベース”!
これは基地型ロボットとも、ロボット型基地ともいえるようなもので、その大きさもあって、存在感は抜群でした。当時としても高価な玩具でしたが、多くの子供達を虜にした憧れの玩具でした。ダイアクロンの成功は、この“ロボットベース”の存在が故といっても過言ではないでしょう。メチャクチャかっこ良かったンだからぁ!
さらに合体・変形ロボ“ダイアバトルス”が発売されたあたりで、その人気は最初の頂点に達します。当時“ミクロマン”の人気がかげりを見せ、さらにリニューアルされる時期にあたっていたため、“ダイアクロン”は、当時のタカラを支える玩具シリーズになっていたのですね
ただ、このシリーズ、難点だったのが比較的高価な玩具だったこと。プラスチック主体だった“ミクロマン”と違い、亜鉛合金の使用比率が高かったこともあって、玩具の単価自体はこれまでの玩具シリーズよりは高額でした。ミクロマンなら小学生の小遣いで買えましたが、ダイアクロンとなるとそうもいかず、私は結局一つも買うことなく終わりました。
えっ、いま紹介しているものは何なのか、ですって?

じつはこれ、この玩具が発売されて数年後に、当時の友人から安く譲ってもらったものなんです。それでも長いこと我が家の物入れの奥深くに眠っていたことは間違いなく、これを発掘した時は感無量でした(笑)。
話を戻しましょう。
“パワードスーツ”は、そんな比較的高価な“ダイアクロン”シリーズの中でも最も安価な玩具の一つでした。これなら子供達の小遣いでも充分購入できることもあって、それなりに人気商品だったと記憶しています。
また当時、ちょっとした“パワードスーツ”ブームだったという背景もあったでしょうか。
じつはこの前後に「機動戦士ガンダム」が放送されましたが、あの“モビルスーツ”は“パワードスーツ”を意識して付けられたネーミングでしたし、“パワードスーツ”という言葉自体、ロバート・A・ハイライン原作のSF小説「宇宙の戦士」(1959)にて登場したものでした。さらに日本語訳の文庫本にスタジオぬえによる挿絵がつかわれたことで、そのイメージが一気に定着したという背景があります。
“ダイアクロン”の“パワードスーツ”も、その系統上にある商品デザインの玩具でした。
長々と語っていきましたが、この辺で商品を詳しく見ていきましょう!
パッケージ正面

透明窓から、パワードスーツとダイアクロン隊員を覗くことが出来ます。
裏面

遊び方やシールを貼る場所が記載されてます。
側面

パワードスーツの説明が記載されてます
側面

商品は三種類。この商品はBタイプになります。
側面

ロゴがカッコイイですね!
パッケージ内部

当時の商品同様、発泡スチロールの梱包になってます。

本体と隊員、台座、ミサイル発射機、ミサイル、とシンプルな構成。このほかにシールも付いてましたが紛失しています。またミサイルも予備が入っていた記憶があります。
正面

左側面

背面

Bタイプは台座を装着してから、その台座にミサイル発射機を装着する仕様です
右側面

大きなミサイル発射機を背負っていることもあって、本体がダイキャスト製でもリアヘビーです。

可動部はミサイルとハッチを除くと、腕が僅かに動くだけでほとんど可動しません。
動くのはもっぱらダイアクロン隊員(笑)。

ダイアクロン隊員は腕と足が動く他、底部のマグネットで鉄にくっつけることが出来ます。
大きさは1/72~1/60くらいでしょうか。

当時のお約束で、ミサイルはスプリングの力で飛ばすことが出来ます。なのでよく紛失しました(恥)。一発しか残ってないのでもう飛ばせません(笑)。

手首が回転する仕様ですが、これにより手首を取り外すことが出来ます。ただ別に“ロケットパンチ”になっているというわけではありません。
全身がほぼダイキャスト製で、ミサイルを飛ばす以外、
というわけで、以上、ダイアクロン「パワードスーツ」のご紹介でした!
…………と、ここで終わるのもなんなので、さらに。
実は、このダイアクロンのシリーズは、プラモデルも発売されていました。

“えっ、元々玩具なのに!?”と思われるかもしれませんが、(株)日東科学はタカラと深い関係にあったらしく、タカラ製のプラモデルも日東科学(以下、ニットー)が製造を担当していたものも少なくないとか。
実際、タカラがスポンサーだった番組の模型商品も、低価格帯のものはニットーが発売するなど、両社は密接な協力関係にあったようです。
1982年の日本プラスチックモデル工業協同組合の下敷きが残っているんですが、これを見ると、ニットーの欄には、タカラの“ニューミクロマン”のキャラクターのプラモデルがラインナップされています。

今はなき模型メーカーの名前も書かれていて、諸行無常を感じさせます。

これ、玩具じゃなくてプラモデル買っちゃうよなぁ……(苦笑)。
日東科学は一度廃業してしまうのですが、現在は再建されて、日用品や工業用プラスチック製品の製造を主に手掛けているそうです。
外箱正面

リアルタイプということで、精悍ですね。
外箱左側面

当該商品を使ったジオラマ写真が並べられてます。
外箱右側面

完成例写真になってます。
外箱裏面

当時の100円プラモデルの例に漏れず、組み立て説明図が記載されてます。
リーフレット

モディファイ情報や遊び方の例が記載されています。
正面

この商品はAタイプのパワードスーツになります。
左側面

実は、元の所有者は私の妹(笑)。彼女がどうしてこれを入手したのか、その経緯は思い出せません(笑)。
背面

接着剤不要のスナップフィットキットで、初心者でも簡単につくれるモデルでした。故にバリとか残ってますし、組み立ても適当です(恥)。
右側面

確か、つくるの手伝った記憶があるのですが……(???)

ダイキャストだった玩具版とは異なり、プラモデル版は脚も腕も稼動します。ハッチも開いて、ミサイルも撃てて、ダイアクロン隊員も付いていて、こちらの方がお得でした(爆)。
もう一つ、こちらは私所有のもの。
正面

Bタイプのパワードスーツです。
左側面

中途半端ながら、いっちょ前に塗装してます(笑)。
背面

台座やミサイル発射機の大きさは、玩具版とほぼ同じ。もしかしたら同じ金型を使っているのかもしれません。
右側面

可動

結構遊んでたので、へたってましたが、よく動くモデルでした。
玩具版との比較

模型版のほうが二回りほど大きいことがわかります。
ハッチを開けて

搭乗するダイアクロン隊員の大きさはほぼ同じ。玩具版のダイアクロン隊員を模型版に乗せることも、逆に模型版の隊員を玩具版のパワードスーツに乗せることも出来ます。
ダイアクロン隊員を並べて


細部に異なるところもありますが、ほぼ同一で、金型の一部を共用しているのではないかと思われます。(材質は玩具版と模型版で異なります)。

「敵の攻撃は激しいが、ここは死守するぞ!!」
玩具版がほとんど動かないので(恥)、ちょっとやりようがなかったのですが、こんな感じで遊べますね。
ダイアクロンの最初の商品が発売されてから三十余年。まさか“ダイアクロン”が新生されるとは思ってませんでした。しかもその第二弾商品が“パワードスーツ”ということにも感慨深いものがありますが、もし機会があれば新旧の“パワードスーツ”を比較してみてください。もしかすると、“ダイアクロン”の秘められた魅力を再発見できるかもしれません。
私もやってみたいですが、現状、ちょっと難しいですかね(苦笑)。
旧製品を入手できる機会はほとんどないと思いますが、今の若い人たちには、新しい“ダイアクロン”を存分に楽しんで、次世代にその魅力を伝えていって欲しいですね。
以上、タカラ&ニットー ダイアクロン「パワードスーツ」でした!
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