帰ってきた、まくらをそうじ

　まどか
「今年もイラストは暑中見舞いとクリスマスだけだったな……」



「その他に残暑見舞い－－－－－これは去年出来上がらなかったやつですが、これを完成させてます。」


　涼子
「更に来年の年賀状イラストもあるわね！」


　ルカ
（なんでこんなこと、赤の他人であるこの小娘が知ってるのよ！）



「一応名目的にはこの４点ですが、実はこの他にここでは公開していないものを３点ほどあげています。」


　まどか
「それは見られないのか？」



「えっと、それは依頼案件なのでご容赦ください。」


　涼子
「どういうこと？」


　ルカ
「内職？」



「付き合いのあるサークルのためのボランティア活動と捉えてください。内容を言及するわけにはいきませんが、合法的なものですので、心配しないでください。」


　ルカ
（ちょっと引っかかるわね……。女絡みかしら……？）


　まどか
「それはエロいのか？」



「はぁ!?」


　まどか
「それはエロ絵なのかって聞いてんだよ！　裸の女描いたんだろ！」



「人聞きの悪い事言わないでくださいよ……！」


　ルカ
「……描いたの？」



「描いてません!!」


　涼子
「そうよね、ダーリンが私以外の裸婦画描くわけないわよね……」


　まどか
（お前は未成年なんだから、描くわけないだろ……！）



「まじめに言うと、そういった扇情的な活動ではありません。ただこれは自身の創作活動とは異なるベクトルのものなので、ここで公表することはありません。もっとも私の身体は一つなので、そういった活動があると他にどうしても影響が出てくるということです。」


　ルカ
「それは続けるの？」



「私自身の活動に支障が出ない範囲であれば、ですね。あくまでも自身の活動が優先です。」


　まどか
「でも、影響出てるよな？」



「シッ、シッ！」



「もうちょっと詰問した方がいいかしら、ね……!?」



「もう一言付け加えるなら、家業の手伝いで時間が取れなかったことも大きいです。しかしながら水面下では作業の方は進んでいますので、別に自身の活動が疎かになっていたということはないですよ。」


　涼子
「そうなの、それに今年は制作環境の整備の時間を取られることも多かったし、その改善と並行していたわけだから……。」


　翼
「裏事情にずいぶん詳しそうですね。」



「だって、ダーリンは私の旦那様だもの！」



（この女、殺す!!）


　まどか
（ヤバイ！　母ちゃん、激怒してる……!!）


　翼
「それはともかく…、少し整理しましょう。目に見える点数そのものは少なかったが、非公表の活動もあって、それを加えると決して成果物が少なかったわけではない。さらにそれを支える環境の整備もあったので、その中ではよくやったほうだ、と？」



「ま、そういうふうに捉えてくれると嬉しいですね…。個人的にはいろいろと至らないところもあったので、それは残念ですし申し訳ないと思っていますが、そういった状況でも最善は尽くしているので……」


　ルカ
「許さない……」



　　

　　
「えっ……!?」



「私は許さないわよ！　私という存在がありながら、浮気なんて、絶対許さない!!」


（続く）

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