Final Labyrinth(仮題)の思い出(7)
連休も終わり、初夏の陽気に包まれている地域も多いことでしょう。
ですが、こちらは暑かったり寒かったり(苦笑)。日差しは夏なのに気温は一桁で、汗をかいたと思ったら、吹く風で身体を冷やしてしまう昨今。崩れた体調がなかなか復調してくれません(哀)。いや、鼻水と咳が止まらないのよ……。
そんな感じですっかりご無沙汰してしまいましたが、フィギュア漫画「Final Labyrinth~涼宮ハルヒの迷宮(仮題)」制作の思い出話はまだまだ続きます!
本日の話題は、
「絵コンテで四苦八苦(3)~関羽とセイバー」

です。
フィギュア漫画「「Final Labyrinth~涼宮ハルヒの迷宮(仮題)」は、涼宮ハルヒ達SOS団が○○の世界で××のような冒険をするというお話。
5人しかいないSOS団のうち、第一話時点ではハルヒとキョンのカップルの他にいたのは長門さん一人のみ。残りの二人-----みくる姐さんと古泉は行方不明ということで、××のように酒場で助っ人を募り、行商の手伝いをするという条件で仲間になってくれたユーミルと共に、二人を探しに出かけるというのがこの話の始まりでした。


途中、魔物に襲われ重体となった長門さんを助命してくれたシスター・シギィにお使いを頼まれ、同行することになったのが見習いシスターのインデックスでしたね。

そしてたどり着いた最初の町で賊に言いがかりをつけられ、警察に連行され、一晩で釈放されたと思ったら、賊と戦う羽目になった-----というのが第七話までのお話。
そして第八話で激戦を繰り広げ、ピンチになった第九話で救世主のごとく現れた謎の武闘家が関羽雲長でした。
当面の危機は過ぎ去り、安堵するハルヒ達ですが、ユーミルの傷が癒えるには時間がかかり、そして賊たちとのリターンマッチが待っています。この後の展開はいったいどうなるのでしょう? やがて訪れる危機をハルヒ達はどう凌いでいくのか------!?
原作者たる私は大いに悩むのでありました(爆)。
いやホント、この時期のストーリー作りは毎日が苦悶の日々でした。私に代わって誰かに続きを考えて欲しいと思うくらい、頭を抱えてましたね~(苦笑)。
キーとなるのは前出の関羽姐さん。彼女が再度助けに来れば賊なんか簡単に蹴散らせるでしょう-----でも、それでは第九話と話が変わらないよな……。
しかも関羽姐さん、南へ行っちゃうことになったし…。

※ここでキョン&長門と関羽を再開させたのは失敗だったなぁ…と、ちょっと悔やんでます。もうちょっといい演出方法があったんじゃないかと。
それに一度仲間への勧誘を断っている手前、何か事件が起きないと、関羽姐さん、ハルヒ達と行動を共にしてくれませんよね。(でないと不自然です)。
そういうわけで、関羽姐さんはいったんフェードアウト……。
実はここまでは一応想定の範囲内でした。
というか、関羽雲長を仲間にするタイミングについてはちょっと迷っていたんですね。
第一部で出会うことは確定済みだったんですが、その後早くに仲間になるか、もう少し話が進んでから再開し、仲間にするか、そのタイミングを計りかねていました。(その迷いが出たのが第11話でした)。
とりあえず、仲間になるのはいったんお預けにして、別の手立てを考えることに。
でもどうすりゃいいんだい??-------ということで、悩ましい日は続きます。
この物語において、仲間となるキャラクターたちはこの後のエピソードにも控えていて、物語の進展と共に増えていくことにはなっているのですが、その登場タイミングを間違えると、お話が全然盛り上がらずに終わってしまうため、いろいろと計算しなければなりません。しょっぱなから最強キャラが出ちゃうと、ピンチに追い込まれることがなくなりますからねぇ(笑)。お話を面白くさせるには、“ハラハラ”“ドキドキ”が大切なのです。
さて、“ハラハラ”“ドキドキ”はいいんですが、だからといって敵との戦いに負けちゃったら意味がないわけで、最終的にハルヒたちには勝ってもらわねばなりません。そのためには勝つ要素(できればギリギリで)を投入する必要があるのですが、さて、どうしよう? もう一人、物語の展開に支障が出ないような強い“助っ人”を登場させるより他ないが、誰かいるかな……??
というところで浮上したのが、セイバー。
実はセイバーさんは当初、物語の中盤あたりで仲間になることを想定していました。入手が遅れましたしね。
逆に言えば、セイバーって、物語の中軸にあまり絡まないキャラクターなんですよ。少なくても前半までは。
ならばここで出してもいいか------と。
しかし問題はその出会い。
ハルヒとセイバーはもともと何の接点もないわけです。これは関羽雲長も同じですが、関羽姐さんの場合はハルヒ達が異世界に紛れ込んだ際に一緒に引き込まれた------と強引に解釈して 誤魔化す しまえば体裁をつくろえますが(苦笑)、セイバーの場合、もとはアーサー王伝説の主人公(を女体化したキャラクター)なわけで、いわば桃太郎を召還するようなものなわけです。関羽雲長と同じというわけにはいきません。
どうしようか……??
じつはセイバーの登場を遅らせるつもりだったもう一つの要因がこれでした。どうやっても仲間になるきっかけができそうもなかったんです。なので考え付くまで先に話を進めておこうと(苦笑)。
でもそういうわけにもいかなくなっちゃった。
なので、ネットで情報を漁り、風呂に入りながらアイディアをひねり、毎晩寝入りばなに考え巡らせてました。
原作に当たる「Fate/Stay Nights」の解説とかも読んだんですが、よく判らない(苦笑)。“勢いあまってハルヒが怒りに任せて蹴飛ばしたのが‘聖杯’で、そこからセイバーが登場!”みたいなことも考えたのですが、そこに偶然“聖杯”があるのもおかしいよな、ということでこの案はボツ。本当に頭を抱えていたのです。
そのうち、アニメ版のまとめ記事を閲覧していた際、セイバー降臨時に魔方陣が現れ…、などという記事を目にしたとき、ようやく閃きました。
ハルヒが描いた落書きが(偶然)セイバーを召還する魔方陣だった-----ことにしてしまえば、違和感なくね? と(笑)。

こんな感じで苦慮した果てにセイバーを仲間にするエピソードが生まれたわけですね。
正直言って、こんな早い段階でセイバーを仲間にするというのは想定外だったんですが、第二部以降のその後の展開を考えると、結果オーライだったかな?と思うことがあります。この辺は話作りの難しさ、そして楽しさというところでしょうか。
とはいえ、話作りの難しさはここで終わったわけではなく、さらに高い壁として立ちはだかることになるのです。
ですが、こちらは暑かったり寒かったり(苦笑)。日差しは夏なのに気温は一桁で、汗をかいたと思ったら、吹く風で身体を冷やしてしまう昨今。崩れた体調がなかなか復調してくれません(哀)。いや、鼻水と咳が止まらないのよ……。
そんな感じですっかりご無沙汰してしまいましたが、フィギュア漫画「Final Labyrinth~涼宮ハルヒの迷宮(仮題)」制作の思い出話はまだまだ続きます!
本日の話題は、
「絵コンテで四苦八苦(3)~関羽とセイバー」

です。
フィギュア漫画「「Final Labyrinth~涼宮ハルヒの迷宮(仮題)」は、涼宮ハルヒ達SOS団が○○の世界で××のような冒険をするというお話。
5人しかいないSOS団のうち、第一話時点ではハルヒとキョンのカップルの他にいたのは長門さん一人のみ。残りの二人-----みくる姐さんと古泉は行方不明ということで、××のように酒場で助っ人を募り、行商の手伝いをするという条件で仲間になってくれたユーミルと共に、二人を探しに出かけるというのがこの話の始まりでした。


途中、魔物に襲われ重体となった長門さんを助命してくれたシスター・シギィにお使いを頼まれ、同行することになったのが見習いシスターのインデックスでしたね。

そしてたどり着いた最初の町で賊に言いがかりをつけられ、警察に連行され、一晩で釈放されたと思ったら、賊と戦う羽目になった-----というのが第七話までのお話。
そして第八話で激戦を繰り広げ、ピンチになった第九話で救世主のごとく現れた謎の武闘家が関羽雲長でした。
当面の危機は過ぎ去り、安堵するハルヒ達ですが、ユーミルの傷が癒えるには時間がかかり、そして賊たちとのリターンマッチが待っています。この後の展開はいったいどうなるのでしょう? やがて訪れる危機をハルヒ達はどう凌いでいくのか------!?
原作者たる私は大いに悩むのでありました(爆)。
いやホント、この時期のストーリー作りは毎日が苦悶の日々でした。私に代わって誰かに続きを考えて欲しいと思うくらい、頭を抱えてましたね~(苦笑)。
キーとなるのは前出の関羽姐さん。彼女が再度助けに来れば賊なんか簡単に蹴散らせるでしょう-----でも、それでは第九話と話が変わらないよな……。
しかも関羽姐さん、南へ行っちゃうことになったし…。

※ここでキョン&長門と関羽を再開させたのは失敗だったなぁ…と、ちょっと悔やんでます。もうちょっといい演出方法があったんじゃないかと。
それに一度仲間への勧誘を断っている手前、何か事件が起きないと、関羽姐さん、ハルヒ達と行動を共にしてくれませんよね。(でないと不自然です)。
そういうわけで、関羽姐さんはいったんフェードアウト……。
実はここまでは一応想定の範囲内でした。
というか、関羽雲長を仲間にするタイミングについてはちょっと迷っていたんですね。
第一部で出会うことは確定済みだったんですが、その後早くに仲間になるか、もう少し話が進んでから再開し、仲間にするか、そのタイミングを計りかねていました。(その迷いが出たのが第11話でした)。
とりあえず、仲間になるのはいったんお預けにして、別の手立てを考えることに。
でもどうすりゃいいんだい??-------ということで、悩ましい日は続きます。
この物語において、仲間となるキャラクターたちはこの後のエピソードにも控えていて、物語の進展と共に増えていくことにはなっているのですが、その登場タイミングを間違えると、お話が全然盛り上がらずに終わってしまうため、いろいろと計算しなければなりません。しょっぱなから最強キャラが出ちゃうと、ピンチに追い込まれることがなくなりますからねぇ(笑)。お話を面白くさせるには、“ハラハラ”“ドキドキ”が大切なのです。
さて、“ハラハラ”“ドキドキ”はいいんですが、だからといって敵との戦いに負けちゃったら意味がないわけで、最終的にハルヒたちには勝ってもらわねばなりません。そのためには勝つ要素(できればギリギリで)を投入する必要があるのですが、さて、どうしよう? もう一人、物語の展開に支障が出ないような強い“助っ人”を登場させるより他ないが、誰かいるかな……??
というところで浮上したのが、セイバー。
実はセイバーさんは当初、物語の中盤あたりで仲間になることを想定していました。入手が遅れましたしね。
逆に言えば、セイバーって、物語の中軸にあまり絡まないキャラクターなんですよ。少なくても前半までは。
ならばここで出してもいいか------と。
しかし問題はその出会い。
ハルヒとセイバーはもともと何の接点もないわけです。これは関羽雲長も同じですが、関羽姐さんの場合はハルヒ達が異世界に紛れ込んだ際に一緒に引き込まれた------と強引に解釈して
どうしようか……??
じつはセイバーの登場を遅らせるつもりだったもう一つの要因がこれでした。どうやっても仲間になるきっかけができそうもなかったんです。なので考え付くまで先に話を進めておこうと(苦笑)。
でもそういうわけにもいかなくなっちゃった。
なので、ネットで情報を漁り、風呂に入りながらアイディアをひねり、毎晩寝入りばなに考え巡らせてました。
原作に当たる「Fate/Stay Nights」の解説とかも読んだんですが、よく判らない(苦笑)。“勢いあまってハルヒが怒りに任せて蹴飛ばしたのが‘聖杯’で、そこからセイバーが登場!”みたいなことも考えたのですが、そこに偶然“聖杯”があるのもおかしいよな、ということでこの案はボツ。本当に頭を抱えていたのです。
そのうち、アニメ版のまとめ記事を閲覧していた際、セイバー降臨時に魔方陣が現れ…、などという記事を目にしたとき、ようやく閃きました。
ハルヒが描いた落書きが(偶然)セイバーを召還する魔方陣だった-----ことにしてしまえば、違和感なくね? と(笑)。

こんな感じで苦慮した果てにセイバーを仲間にするエピソードが生まれたわけですね。
正直言って、こんな早い段階でセイバーを仲間にするというのは想定外だったんですが、第二部以降のその後の展開を考えると、結果オーライだったかな?と思うことがあります。この辺は話作りの難しさ、そして楽しさというところでしょうか。
とはいえ、話作りの難しさはここで終わったわけではなく、さらに高い壁として立ちはだかることになるのです。
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